マットレスを直置きするデメリットと対策、直置き向きマットレスを選ぶポイントを紹介します。
\マットレスを選べば、直置きでも快適!/

「敷布団からマットレスへ変えたい!」とお考えの方、ミニマリストの方、よろしければ参考にしてください。
マットレス 直置き|デメリット
マットレス 直置きのデメリットについて
マットレス直置きの最も大きなデメリットは、マットレス内外が湿気ることです。
【湿気を帯びたマットレスの弊害】
- 寝苦しくなる。
- 気化熱で必要以上に冷える。
- マットレス内部にカビが生え、アレルギーの温床になる。
- マットレス内部にダニが発生しやすくなり、アレルギーの温床になる。
- マットレス表面が黒カビで汚染される。
- マットレス本体の劣化を早める。
マットレスが湿気を帯びると、百害はあっても一利もありません。
マットレス 直置き|カビが生える原因
カビの原因について
マットレスを床に直置きしただけで湿気が溜まりやすくなる理由は次の通りです。
- 床面と接した通気性の悪い箇所には、湿気を含んだ空気が溜まりやすくなるから。
マットレスを床に直置きすると、空気の特性によってマットレス周辺には湿気だまりが起きやすくなります。
\床にマットレスを設置した時に湿気が溜まるプロセス/
床面に敷いたマットレスと床が面した角では空気の対流が少ないので、比重の重い湿った空気が溜まりやすいエリアと化します。
そして、時間と共に湿気を含んだ空気は集合&合体し続けるので、やがて水蒸気含有量が増加し、温度変化が伴うと「あっ」という間に結露します。

【水分を含んだ空気の特性】
- 空気は湿気を含むと重くなり、床面付近を漂う性質がある。
- 湿った空気は床に面した遮蔽物に溜まりやすい。
- 湿気を含んだ空気は結合していくことで空気中の水蒸気濃度も上がる。
湿気を含んだ空気が集まったところに急激な温度変化が伴う、あっという間に結露を起こして、カビを発生させてしまいます。
⇒マットレスのカビ対策|予防方法と取り方&カビにくいマットレスとは?
マットレス 直置き|手入れ・カビ対策
マットレスのお手入れについて
床にマットレスを直敷きする時の注意点はただ一つ、湿気(=カビ)への対応です。
床に密着した部分は、流体力学的にも湿気が溜まり易いポイントなので、通常はベッドフレームを使って床面から離すことで対策します。

ベッドフレームを使わない直置き派の方は、何かしらの理由でベッドが使えない状況ですから、そのぶん 小まめなメンテナンス を必要とします。
マットレスのメンテナンス方法は基本的に次の2つです。
❶ ローテーション
寝る位置はだいたい決まっているため、一箇所にかかる圧力や摩耗を分散し、マットレスの劣化を緩やかにする方法です。
- やり方:マットレスを上下・裏表を反転させる。
- 頻度:3ヵ月に1度程度
❷ 室内干し

湿気を溜め込みがちなマットレスの上下面を空気に触れさせることで乾燥を促します。
- やり方:通気性のよい室内に、マットレスの上下面が空気に触れるように立てかける。
- 頻度:3ヵ月に1度程度
「除湿シート」について
小まめなメンテナンスが出来ないときや除湿効果を高めたいときは、除湿シートを活用するのがおすすめです。
すのこに比べて、吸湿&放湿効果がダイレクトに働き、床面も傷つけないのでおすすめです。
【除湿シート メリット】
- 軽い・薄い・かさばらない
- 高機能
- 高耐久
わたしのイチ押しは、モットンの除湿シートです。

主な特徴は次の通り。
くり返し使えて経済的。
- 干し時が分かる湿気お知らせセンサー付き。
- アンモニアに対する消臭性が特に強い。
- 耐久性が高い。
- 吸水・吸湿の繰り返しによる吸水性能の低下がみられない。
- 塩分の含まれた寝汗もしっかり吸収。
第三者機関による性能テストでも、某大手ネットショップの1位・7位の製品以上の好成績をたたき出した良品です。
ちなみに、湿気対策としてポピュラーな すのこ を敷いてベッドフレーム代わりにするアイデアは、あまりおすすめできません。
【すのこ デメリット】
一見良さそうに見える「すのこ」対策は、デメリットの方が多いです。
- 高さと利用時間が不十分で、通気効果はそれほど得られない。
- マットレスと一緒に、すのこも都度片づける必要があるため、上げ下げ作業が面倒。
- 上げ下げのたびに、フローリング・畳を傷つけてしまう。
薄いすのこを敷くくらいなら、除湿シートの方が効果は高いかな‥と思います。
マットレス 直置き|選び方
マットレスの直敷きを考えているなら、マットレスは通気性&収納性優先で選ぶのがおすすめです。
直置きに向くマットレスの素材について
直置きに向くマットレスの芯・中綿素材は、通気性の高いものを選ぶのが理想です。
【通気性の高い素材】
- ファイバー:マロニーが絡まったようなファイバー繊維。
- オープンセルウレタン:ウレタンの内部に微細な孔があり、通気性があるウレタン。
- 合成繊維:吸排湿性のあるポリエステル系繊維など。
スプリングマットレスも通気性は高いですが、メンテナンスがしにくいので直置きにはおすすめしません。
一般的なウレタンフォーム(下図左)の内部にはたくさんの気泡がありますが、各気泡は密閉成型されているため通気性は皆無です。
対して、オープンセル(下図右)には、気泡間に無数の通気孔があるため、ウレタン内部を空気が通過できます。
直置きに向くマットレスのカタチについて
直置きにおすすめなのは、上げ下げ・収納・部屋干しがやりやすい 三つ折りタイプ か 布団タイプ です。
【上げ下げし易く コンパクトにたためるマットレス】
● 三つ折りタイプ
- 分厚いウレタン板が三分割され、コンパクトな1/3面積の立方体に変形します。
- ゆるいS字にすると、壁無しでも立つので、部屋干しに便利です。
- 素材がウレタンなので、比較的軽いです。
● 布団タイプ
- 布団の様に、緩やかなS字に折りたためます。
- 中綿などの詰め物が充実しており、寝心地が良いです。
個人的におすすめなのは三つ折りタイプで、その場でコンパクトな立方体になるため、完全に押し入れに収納しない人にも最適です。
● ソファーとして使える
三つ折り構造のマットレスは、角の揃った立方体になるため、シーツをかければソファーになります。
\三つ折りタイプの収納&ソファー利用イメージ/
● 自立しての部屋干しができる
三つ折りタイプは、ゆるいZ型で横向きにすると、狭い空間でも部屋干しができます。
壁に立てかけることなく部屋干しできるため、空間が限られている方にも便利です。
\三つ折りタイプの室内干しイメージ/
床敷き用マットレスに選んではいけないマットレスの特徴について
直敷き用マットレスにおすすめしないマットレスの特徴は次の3つです。
● 折りたためない
床に直敷きは湿気を溜め込みやすくいため、収納や配置換えをしやすい折りたたみ機能が必要。
● 通気性が悪い
床敷きは湿気を溜め込みやすいため、通気性・吸放湿性のよいマットレスでないと、すぐにカビてしまう。
● 厚みが足りない
薄いマットレスは身体の沈み込みが不足するため、体圧分散が不十分。
通気性はメンテナンス次第で対策できますが、収納性を重視して薄いマットレスを選ぶのは本末転倒です。
できるだけ、8cm以上の厚みがあって三つ折りできるものを選ぶようにしてください。
【収納用マットレス おすすめのスペック&チェック項目・一覧】
項目 | 素材・スペック | 補足・説明 |
高反発性能 |
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表層に、寝返りをサポートする高反発素材が使われているのが理想。 |
通気性 |
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床に直敷き・押し入れ収納も多いため、マットレス本体に通気対策が施されている方がよい。 |
厚み |
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底付きで腰を痛めないための最低限の厚みとして10cmは欲しい。 |
三つ折り可否 |
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三つ折りできないものは、収納に向かない。 |
重量 |
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持ち運びしやすいのは10kg程度がベター。軽いに越したことはない。 |
マットレス 直置き|敷布団 比較
ベッドを使いたくない方には、昔ながらの敷布団と迷っている方も多いと思いますが、マットレスの方が断然お勧めです。
敷布団の特徴とデメリットについて
敷布団は、畳の上で使うことを前提とした厚めのクッションで、寝具単体の性能はマットレスには及びません。
寝具単体の基本性能を比較すると、明らかに敷布団の方が劣ります。
【マットレス・敷布団 性能比較】
性質 | 説明 | 敷布団 | マットレス |
反発性 | 睡眠の質を高める、寝返りをサポートする性質。 | × | ◎ |
体圧分散 | 姿勢を保持し、筋力の負荷を軽減する性質。 | △ | ◎ |
保持力 |
沈み込みを防ぎ、姿勢の歪みを防ぐ性質。 | 〇 | ◎ |
通気性 | 睡眠環境を換気し、良好な睡眠を維持する性質。 | △ | 〇 |
保温性 | 外気を遮断し、冷えを抑制する性質。 | △ | ◎ |
防ダニ・防カビ性 | 寝具内のアレルゲンを抑制する加工。 | △ | ◎ |
ちなみに、姿勢歪みの原因となる「腰部の沈み込み」は敷布団では起こり難いものの、床や畳に底付きすることで沈み込みを抑制する仕組みなので、体圧分散性は弱めです。
結果、敷布団による姿勢サポートや、筋肉の負担軽減には期待できません。
マットレスの特徴とメリットについて
マットレスは、寝具に必要な機能と性能を全て内包したオールインワンな寝具です。
寝具としての性能は、全ての面において敷布団よりも高いです。
【マットレスの特徴】
マットレスには、敷布団にはない以下の特徴があります。
- 高反発性:寝返りをサポートする。
- 柔軟性&クッション性&厚み:姿勢の歪みを最適化し、筋肉の負担を軽減する。
ちなみに、マットレスと敷布団の違いは構造で、マットレスの一部(詰め物)に相当するのが敷布団と言えます。
【マットレスと敷布団 構造的な違い】
マットレスは、大きく2つの素材で構成された寝具です。
- 表層(詰め物):ウレタン・中綿・羽毛・羊毛など
- 芯材:ウレタン・スプリング・ラテックスなど
寝具としての完成度が俄然違うので、睡眠の質・身体への負担なども大きく変わってきます。
例えベッドフレームを使えない(使いたくない)からといって、敷布団を使い続けるのは、身体にとっては易しくない選択だと言えます。
マットレスと敷布団の併用について
基本的に、敷布団とマットレスは相性が良くないので併用しません。
● マットレスの上に敷布団を乗せない理由
- 敷布団の厚みが、マットレス本来の反発性能・柔軟性・通気性などのメリットを相殺してしまう。
● マットレスの下に敷布団を乗せない理由
- 敷布団の吸湿性により、マットレス下に湿気を溜め込みやすくなる。
ちなみに、マットレスの上面に何か乗せる場合は、敷布団ではなく次のアイテムを使います。
【マットレス上面に乗せるアイテム】
● トッパー
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トッパーとは、6cm以下の寝心地を変える薄めのマットレスで、既存のマットレスに柔軟性・通気性・反発性をプラスするグレードアップアイテムです。
● パッド類

パッドも、マットレスの寝心地を変えるアイテムですが、主に防汚・吸放湿・保温などの役割を持ち、小まめにクリーニングしながら利用するメンテナンスアイテムです。
● シーツ類
シーツは、マットレス上面の汚れを防止する薄いカバーで、小まめにクリーニングしながら利用する、衛生アイテムです。
敷きパッドを利用する場合は、使わなくても良いです。
マットレス下面には、何も敷かないか除湿シートを敷き込みます。
マットレス 直置き|まとめ
直敷きや収納に向くマットレスを選ぶポイントは次の通りです。
【直敷き・収納に適したマットレスを選ぶポイント】
- 反発性能に優れたもの。
- 通気性に優れたもの。
- 充分な厚みがあるもの。
- コンパクトにたためるもの。
- 重すぎないもの。
上記を満たしたイチ押しマットレスは、マニフレックス・ソムレスタ・エアウィーヴです。
なお、床への直敷きは湿気を溜め込みやすくなるので、定期的なマットレスメンテナンスと、湿気対策はしっかりめに必要です。
マットレスのメンテナンス方法は基本的に次の2つです。
❶ ローテーション
寝る位置はだいたい決まっているため、一箇所にかかる圧力や摩耗を分散し、マットレスの劣化を緩やかにする方法です。
- やり方:マットレスを上下・裏表を反転させる。
- 頻度:3ヵ月に1度程度
❷ 室内干し

湿気を溜め込みがちなマットレスの上下面を空気に触れさせることで乾燥を促します。
- やり方:通気性のよい室内に、マットレスの上下面が空気に触れるように立てかける。
- 頻度:3ヵ月に1度程度
以上、マットレスの直置き対策とおすすめマットレスの紹介でした。
睡眠の質を下げないために、最低限の厚みだけは担保してくださいね。